SFハードボイルド
エンジェルダスト




それは最強の兵器だった。
それは存在を否定され続けた。
それはどう見ても『人間』だった。

 


 あるシミュレーションゲームが開発された。
それは限りなく現実世界を模倣し、そこには無数の「仮想の人間:バーチャル・キャラクター=VC」が生きていた。開発技術者達は、そこでおこる政治、戦争、流行、あらゆる問題をフィードバックさせ、現実社会の問題解決に利用しようと考えたのである。

だがある時、その世界をコントロールする強大な意思を持つプログラムが現れる。プログラムの名は『ヴィショップ』。仮想世界において、自身で進化を遂げたセキュリティソフト『ファイヤー・ウォール』である。強力な制御機能を駆使し、仮想世界はおろか現実世界のネット網すらコントロールし始めた。







ヴィショップの暴走を食い止めるため、開発技術者達はシステムを停止、初期化するための人間を選別して仮想世界へ送りこむ。彼らはシステムエンジニアやA級の兵士であった。彼らの意識はデータ化され、クリーナーとしてハードディスクにインストールされるのである。しかし、誰もヴィショップを抹殺する事はできなかった。

人類が最後に送りこんだのが、ライトイヤーと名乗る兵士だった。並はずれた精神力を持つ兵士は荒廃するシミュレーションゲームに侵入する。そこは絶対の統制と享楽がうずまく退廃的世界だった。ヴィショップを追う中で、ライトイヤーは誰からも支配されない気ままな大道芸一味と出会う。そこには、あらゆる機能をコピーして進化した奇怪な生命体 ジェイソンが見せ物として養われていた。ライトイヤーはジェイソン達から重大な情報を得る。






「ライトイヤーの他に数人のクリーナーがまだ生きている」
「ロードランナーという時空に潜む凄腕のエージェントがいる」
「ヴィショップはなぜか『エンジェルダスト』なる存在を恐れている」
ヴィショップが放つ無数の追手を振り切りながら、ライトイヤーは『エンジェルダスト』の秘密に近づいてゆく・・・。

CAST


美津乃あわ
上瀧昇一郎
藤元英樹
盛井雅司
伊藤えん魔

板橋薔薇之介
斉藤 潤
田村K-1
天野美帆
坂本ユカ
内田 誠
篠 佑子
才花菜月