近代的高層ビルと昔風情の残る住宅地が混在する大阪市福島区。そのアパートのゴミ捨て場に、なんとも考えさせられてしまった。せいぜい6軒ほどしか入居してない木造アパートの片隅に、1メートル四方の古めかしいゴミ箱が設置されている。
ところが、その真上に最新式の監視カメラが取り付けてあるのだ。住民以外の不法投棄に対する策だろう。色あせたゴミ箱と真新しいカメラのボディが不思議なコントラストをかもし出している。壁の向こうで管理人さんが一日中カメラを見ていると思うとちょっと恐い。「お気の毒に。近所のモラルがよくないのか」等と周囲を観察してみると、実はこのアパートがタダ者でない事がわかってきた。玄関入り口がオートロックじゃないか! 木とガラスで組まれた枠組にテンキーが見える。屋根には巨大なBSアンテナ。アンサーホンの四角い小さな窓って・・・テレビモニターだッ! この昭和30年台風2階建てアパートは見事なハイテクノロジーで武装されていたのだ。「これはすごい、絶対SECOMも入ってるはずだ。SECOMしてますか!?」と、ステッカーを探してみたがさすがにそれはなかった。他人の家をどうこう言うつもりはないが、「そうそう、日本ってこんな国だよな」と思ったのは考えすぎか? とにかく、罰金は100万円。近所の住民は不法投棄をしないように。
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