2分で粉末


恐怖のスッポン未体験ゾーン。以前から一体どんなモノなのか興味を引かれていた「スッポン」の漢方薬専門店。取材の為、思いきって店内に入ると先客の老紳士がコップでジュースをガブ飲みしている最中。予想通 り、それはスッポンと焼酎、卵をミキサーにかけた最高の精力ジュースだと言う。

  店内には乾燥スッポンがズラリと並び、注文により機械で粉砕サービスをしてくれる。たった2分でみるみる削り節になってゆく。3分の1づつカットされた手軽な「切れてるスッポン」もあった。「ワインでも選別 、荒摘みとでは値段が違うでしょう? スッポンも甲羅と骨をとった高純度粉末は高級品です」 まるごと一匹でなくとも、ショット売りもOK。一杯千円也を注文したら、「彼女いますか? いないと一週間くらい大変ですよ」と注意されたのでやめた。他にも黒トガケやマムシ等が真空パックに入れられている。要望によって[スッポン5:マムシ3:鹿のチンチン2]等、自由にブレンドできるらしい。別 に生きたスッポンもいて「よっちゃん」「山さん」と呼ばれている。「まさかペットですか?」と聞くと、「勿論、生食用です。粉砕しますか?」と一笑された。うわずった笑顔を浮かべつつ店内を見回すと、「冷凍スッポンのスライス」とあるではないか。「これならいける!」と思い見せて貰ったら、縦切り2ミリ厚のそれは見事な内蔵標本。再び「粉砕しましょうか?」と言われたが、丁寧に断って店を後にした