「えん魔さん。こんなのあったんですけど、使えますか?」 当コラムのために、うちの劇団員達が時折ネタを提供してくれる。今回は男優Mが故郷山口県に帰省した際、発見した某パン屋の広告チラシ。それはまさに、『おもちゃ箱』のために作られたようなワンダーランドだった。
同店自慢のうまそうなパンが写真入りで並んでいる。外見は普通のパン。変なのはそのネーミングである。ブルース・リーの遺作『死亡遊戯』をイメージする『脂肪遊戯』は名前の通
り、チキンの竜田揚げに照焼きソースとマスタードマヨネーズをトッピングしたコッテリ系。『なにわパンしぐれ』はコロッケをのせたパンで、お好み焼き風なのが浪花恋しぐれ。超激辛ウインナーで死にそうになるのが『運命』。ちょっと古いが、ほ〜ら『春〜巻き小〜紅』〜。『ニック・ジャガー』に至ってはそのまんま。それなら具だくさんの堅いロールパン『ローリン具・ストーンズ』、日替わり和風パン『ホンキートンクお饅』なんかも作って欲しいところだ。(店長がこれ読んで本当に製品化したらどうしよう…) しかし、分析するとロック/和製ポップス/クラシック/演歌とあらゆるジャンルを網羅し、世代を選んでいない。さらに映画ファンにはたまらん品々まである。
こりゃ、いろんな客層が話のネタに買ってく事だろう。笑いの絶えない楽しいお店だ。だけど、パンってウケ狙いで売るものなのか???
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