ちゃんとゴロは合わせろ!
 一定の数字列を覚えさせるためのゴロ合わせ。時にそれは芸術的表現となり、また意味不明の呪文ともなる。歴史の年代「1192年/イイクニツクロウ鎌倉幕府」を良い例として、「645年/大化改新・蘇我入鹿をムシゴロシ」はどうだろうか? 人を「蒸す・殺す」のもまずいが、ゴロとしても無理がある。特に電話番号のゴロは企業は勿論、個人レベルではよく考えるべきだ。

 筆者に随分痩せている友人がいる。彼の家の電話が「3510-2974/ミゴト-ニクナシ」とものすごく覚え易いのだ。このようにゴロとは媒体とのイメージが合致しているのが望ましい。


 写真左上はある溶接工場の看板。電話のゴロは「252-4753/ニコニコ-シチゴサン」。誇らし気なフレーズとは裏腹に意図が空中分解している。ニコニコは明るい職場のイメージでまぁいい。だが、「溶接=七五三」はまるで安岡力也からピカチュウへのワープだ。
 その隣は草津にある温泉会館の広告。「32-2626/さあふろ-ふろふろ」・・・うるせぇッ! 最後は帯広のホテル。「パコ」だから「8585/パコパコ」。明らかに自社ネーミングを最初から意図して回線を開いたのだろう。ところが、このホテルはちゃんとしたビジネスユースなのだ。これじゃ、完全にラブホである。たかがゴロ合わせ。この短文に発案者のセンス、及び人間性が重大に問われている事を忘れてはならない。