その味覚、異常じゃないか?
 生まれや育ちによって人間の味覚は大きく異なる。テレビの探険番組でコウモリ食ってる密林の原住民を見ると「信じられん!」と思う。だが、向こうから見れば『イカの塩辛』等食ってる日本人もまた「信じられん!」なのだろう。

 それどころか、関西と関東では『納豆』ひとつで激しく論争される程。だが、事実はそんな甘いモノじゃない。
 例えば新潟では『納豆』の調味料に醤油ではなく砂糖を使う。納豆にドバッとコーヒーシュガーを入れてコネコネするのが普通なのである。調べてみると、この狭い日本にも大量の「信じられん!」があった。

 まず『カキ氷』。普通はイチゴにミゾレ、ミルクに宇治金時だ。だが、山形では甘味は一切使わず、お酢で食べるのが通だと言う。(ゲホッ!) 酢とくれば『トコロテン』。だが、このトコロテンを味噌につけて食べるのが石川県である。金沢の人に黒蜜でトコロテンをすすめても、気持ち悪がって口にしないそうだ。さぬきうどんの国、香川では 『夏みかん』を醤油で食べる。(グエッ!) また越中富山で『あんこ』といえば塩っからいもんらしい。
 この事をうちの劇団員達に問うと「カレーに醤油」「肉まんにソース」、またその逆を主張する説だけで大論争になった。結局、「まぁ、色んな味覚があっていいんじゃない?」で落ち着きそうになった時、「コーンフレークに牛乳は合わない」と言う奴(盛井雅司)がいた。何が合うのか聞くと、『キムチ』。人の味覚って、奥が深すぎだ。