2000年の正月である。羽子板、凧上げ、かるた。子供を持つ読者諸氏は、今こそ伝統の正月遊びを推奨して欲しい。そこで、今回は筆者が20数年前に遊び親しんだ『アクションかるた』を紹介しよう。
これは完全に男の子向きで、警察官がギャングと戦う手に汗握るアクションがメインテーマとなっている。しかし、なぜかワイアット・アープや怪盗ルパンも登場して、西部劇と探偵ミステリーまでがゴッチャになっていた。
左上の 『親のこころ子しらず』のように、ただ教育現場の憂いをうたっているだけのものある。
右上の 『寝込みを襲うギャング狩り』はどう見ても公安権力が一般市民を不当逮捕しにやってきた社会主義国家的な絵ずらだ。左下は投獄された犯罪者の壮絶な苦悩を表現した
『死刑囚の悔悟の涙』。低年齢用玩具としては、教育過程を数段ブッ千切った教訓である。だがリストラされて妻子にも逃げられた男の落ち込みにも見れるし、ただ英単語をなかなか覚えられない受験生の夜中ともとれないこともない。右下の『リンチをくわえる暴力団』は、本来「やくざはこのように憎むべき輩で恐いのだよ」との意味だった。ところが、今見てみると「大好きなグラサン兄貴と最高の虐待プレイを楽しむ男」っぽい。
他に『ずるい怪盗やっちまえ』『たちの悪いひき逃げ犯人』『ぬれぎぬ着せられ俺は無罪だ』等々、当時の正月もなかなかに楽しそうではないか。
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