海外旅行。近年はアジア諸国も善戦しているが、相変わらずナンバー1はオーストラリアだと言う。何と言ってもカンガルーら人気者動物達が貢献しているのは確実だ。
しかし、筆者が何年か前にオーストラリアで出会った彼らは「愛嬌だけの動物」ではなかった。滞在中、「自然公園」の観光は、最も楽しみにしていたプランだった。愛らしい彼らとの触れ合いは最高の思い出になるに違いない。
だが、それは大きな勘違いだった。訪れた公園の広大な敷地内には、沢山のカンガルーが奔放に暮らしていた。ところが、例のピョンピョン跳ねてる奴がいない?
ほとんどの連中はデタラメにごろ寝してるだけで、観光客と遊ぶ気配すらない。気軽に撫でようものなら、「邪魔すんな!」と睨みつける。他の観光客達も彼らの機嫌をそこねない様に細心の注意を払いながら記念撮影をしていた。
突然、林道から衝突音が聞こえる。驚いて目をやると、1匹のメスを巡って2匹のオスが大喧嘩しているではないか!?(写真下)
恐々と見ていると、当事者であるメスに「見世物じゃないよ。アッチ行きな! クワッ!」と怒鳴られてしまった。そこにあったのは、レッキとした彼らの日常であった・・・。
しかし、それはそれでオーストラリアの自然をしっかり見たような気がしている。人間に媚びさせず、彼らとそのまま共存するオーストラリア。あの無愛想な奴らと会うのも刺激的かもしれない。
|