「それって動物愛護か?」
水族館に行くと、どの水槽にも小さなドジョウがいる事がある。
そのドジョウ達は観賞魚の餌だ。
餌としては縁日などで見かける金魚すくい用の金魚が最も安価。
だが、なぜか水族館は高価なドジョウを使う。
理由は来場客から「金魚はかわいそうだ」とクレームが来るからだ。
金魚もドジョウも同じ魚類。まったくおかしな話である。

感情移入しやすい生物にだけ愛情を投影する「かわいそイズム」が存在する。
(俺の造語)
グリーンピース・ジャパン(GPJ)のメンバーが、
調査捕鯨船乗組員が家族へ送った鯨の肉を宅配業者倉庫から勝手に持ち去った事件。
結局、GPJ側が窃盗事件容疑者となった。
そら漁師が水揚げした蟹を家に送って、それをクール宅急便から強奪したら泥棒だ。
これには横領という大義名分に隠れた鯨への「かわいそイズム」が伺える。
もし、乗組員が鰯やスルメを家族に送っていたなら事件にもならなかったろう。
確かに生き物の乱獲は心が痛む。だが生物の食物連鎖に善悪を持ち込むのも無意味。
レバー、納豆、人参が好きな奴、それらが嫌いな人間からすれば異常に見えるもの。
だからって一方的なかわいそイズムの押しつけはまずい。
愛鳥週間が来る度に焼き鳥屋が潰れちまう。

GPJの人ってマックとかケンチキ食った事ないのか? 
なんでも欧米では、「牛は神が人に与えた食物」という概念があるらしい。
(都合よすぎ) 
もしレッドミート・ジャパン(RMJ)なる謎の団体が現れて「牛を守れ!」
と松阪牛の大群を三重県から脱走させたらGPJは協力するんだろうか。
とにかく、ハンバーガー食いながら「鯨は食っちゃいか〜ん!」
と他人のお土産をかっぱらうのはやめとこうぜ。