「100億円の宝くじ!?」
「自分は馬鹿なんでぇ、ちょっと無理っす!」 
明るくダメキャラを演じる若者達。
本来の自分は、どんな事でも有能にできるのだが、
「今はあえてしない」と言う仮設定にしておき、何もやらずに済ませてしまう。
「やれば俺、ジャニ系よりイケメンだし、思いつくネタは吉本芸人よりおもろいし、
歌とかダンスはエイベックス超えちゃいそうなんですよねぇ。やれば」
とのたまう役者志望の多い事。
「ならすぐやれッ!」との激情を抑え、頭が固くてださくてうざい俺は言う。
「ま、地道にやってみろ」 

演出家という仕事柄、年間100〜200人の自称俳優を指導する。
だが、実際売れた教え子はこの20年通じて5人にも満たない。
「有名になる」という事は確率の問題だろうか? 
ならば努力や結果を無視し、メジャーになったタレントを人口確率だけで考えよう。
まさに飛ぶ鳥を落とす勢いの石川遼、エド・はるみ等、
この1年間に大ブレイクした有名人を思い出してみて欲しい。
10名程ですぐ列挙が止まると思う。

ちなみに1億円以上の宝くじ高額当選者は年間400人以上いるらしい。
つまり、有名になるというのは、宝くじの大当たりより確率が低い。
1億当てた事もないくせに、
若者らは「いつか100億円が当たってブレイクする」つもりなのだ。
まさに飛ぶ鳥を見上げる勢いだ。バサバサバサ・・・。

有名人予備軍達は、劇団に入っても基礎練習はしねぇ、
ヒットしてる舞台作品も観にいかねぇ、人間関係にも興味ねぇ。
いいから1本1万円の仕事を毎日必死にやって、
3年でまず1000万円ほど稼いでみるといい。
自分が1億稼げる才能があるかどうかを予測するのはそれからだぜ。