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「ベムの話」 伊藤えん魔
突然だが、俺の恐い話をする。俺が子供の頃、テレビが白黒からカラーへと変遷していった時代。日本のテレビアニメシーンも偉大な発展をとげようとしていた。当時のアニメと言うのは大抵、冒険活劇かヒーローものが主流だった。今は亡き手塚先生の「鉄腕アトム」「ジャングル大帝」「リボンの騎士」。その他、「鉄人28号」から「天才バカボン」まで、その殆どが俺達に夢と勇気を与えてくれたものだ。 だがしかし! その中にあって唯一つ。夢と勇気ではなく、ただ恐怖のみを投げかけてきた番組があった。そう、「妖怪人間ベム」だ。恐るべき事に「ベム」は「アニメは子供 向けのモノ」と言う概念がまったくなかった。「ルパン三世」のように大人も楽しめる子供番組でもない。とにかく『ベム』には、すべての人間を身の毛のよだつ恐怖に包むパワーだけが怨々と渦巻いてた。勿論、何かの力によって生み出されてしまった妖怪人間の不遇、またその逆境の中で正義を貫く崇高な精神があり、勧善懲悪のストーリーは秀逸で格好も良かった。 さらに妖怪人間達の人間像を述べる。黒のダブルにスカーフ、白い瞳にスキンヘッド。 渋いボルサリーノに身を包んだベムはハンフリー・ボガードなんてメじゃないほどのハード野郎だった。そして力強く、寡黙で頼れる父親像だった。またベラは妖艶で陽気、それでいて強い母親像だったし、ベロに至っては憎めない楽しい友達だ。 だが、あの映像世界は何なのだろう? 一体どこの国でいつの時代なのか? 果ては、あの恐ろしすぎる怪奇な妖怪達は何だったのだろう? かわいい少女かと思えば一瞬にして醜い人食い老婆になったり、気味の悪い地下室に無数の亡霊がうごめいていたり・・・ 。カラスなんざ毎週、おやつ代わりに死体をついばんでやがった。1日10回はトイレ に走った小便小僧だったガキの俺が、ベムの放送後は一回たりともトイレに行けなくなってしまったのも当然だ。チ・・・ベムなんて大嫌いだった! だが、俺自身がおもろかしい演劇人となった今。あえて『ベム』をやる事にした。大嫌 いだったはずのベム・・・。よくよく考えてみれば、俺はベムを畏怖しながら、敬愛し、崇拝していたのではないか? と、どうしても思えるのである。 「正義を守っていれば、いつかは人間達もわかってくれるはずだ」と言う信念だけで、恐怖の妖怪達と命懸けの戦いを続けた彼ら。最終回では人知れず、炎にまかれ消えていったベムとベラとベロ。「人間にとって、俺達は歓迎されぬ存在なのだろう。これが妖怪 でも人間でもない俺達の宿命なのだ・・・」と笑って死んでいった3人。何の罪もない彼らを「悪い魔物」と決めつけ、彼らの逃げ込んだ屋敷に火を放ったのは人間なのにである・・・。 ベム、おこがましいが、俺がお前さんを最強の男として蘇らせてやるぜ。俺の創るハードボイルドを地獄で楽しみにしていてくれ。とにかく、あんた・・・最高の男だったぜ。 |
2 行きつけの歯医者で「この乳歯は虫歯です」と抜かれた歯が永久歯だった。 私、今だに一本歯かけ。 3 小学校1年。ドングリを沢山机の引き出しに入れていたら白い実が増えていた。 「おいしそう」と手に 取ると、モゾモゾ動きだした。 4 小学校3年の時、ブランコからフッ飛び落ちて前歯が下唇を貫通 した。 5 中学校2年の時、ポケットに手を入れながらスキップをしていたら、 つまづいて顔面からこけた。 コンクリートには私の前歯が2本突き刺さっていた。ひぃ。 6 高校生の頃、好きだった男の子に同窓会で会ったらニューハーフになっていた。 〜電話 & アダルト世代 地獄編〜 7 「ファンです」と言う人物からエロ電話がかかってきた。 (自宅に) 8 電話に出るとよく父親に間違われる。 (なんと親戚に) 9 電話に出たらえん魔さんに間違われた。 (しかも劇団員に) 10 茶店でバイトをしていた頃。コーヒー豆の機械にコオロギが侵入。 一緒にドリップしてしまった。 そのコーヒーを客の御老人がうまそうに飲んでいた。ひぃ。 11 脱毛ガムテープをスネに貼りつけ剥がしたら、皮膚まではがれた。 12 深夜、車を走らせていたら助手席にいた友人(霊感強し)が突然気絶した。 慌てて起こして理由を聞くと、 生首が3体フロントガラスに突進してきたと言う。 私には何も見えなかった・・・ひぃ。 13 どちらかと言えば不潔な友達の家に遊びに行った。 万年床らしき布団をどけると、 そこには人間の顔ほどもある品種不明のキノコがたわわに生えていた。 なんとお母さんは「まぁ、かわいいらしい」と 平気な顔をして全部もいでいた。うひぃ! |